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サーキュラーエコノミーについて解説―実現に必要な条件と藤森工業の取り組み

SDGs(持続可能な開発目標)で掲げられている17の世界的目標には、資源を無駄なく有効に活用し、かつ循環させて社会の仕組みを持続させていく考えも含まれています。こういった循環型社会の仕組みとして、「サーキュラーエコノミー」が注目されています。サーキュラーエコノミーの意味や従来の社会の仕組みとの違い、実現のために必要となる取り組みについて実例を交えてご紹介します。 「続けていける循環」-サーキュラ―エコノミー 「サーキュラーエコノミー」は、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みや、2022年4月のプラスチック資源循環法の施行によって注目されるようになった言葉です。SDGsで目指すのは、人の暮らしと環境の維持を両立し続けることを可能にする社会、そしてその実現に必要な要素のひとつが、サーキュラーエコノミーです。 サーキュラーは「円形の」「循環性の」を意味し、サーキュラーエコノミーは循環型経済と訳されます。ここで目指す循環とは、製品の材料やその製造過程で消費される資源のサイクルを言います。製造過程や使用後に排出される廃棄物を抑制し、資源を循環させる仕組みが実現した経済モデルのことです。将来的には、廃棄物という概念が消え、原材料だけでなく製造過程で使用するものや使用中の製品も含めたすべてのものを資源として循環させる状態を目指します。ここで重要なのは、これが経済の仕組みであるということです。個人や企業にとって経済的なメリットが生じる経済活動の一部として成立していることで、積極的かつ継続的に取り組むことが可能になります。環境配慮だけでなく経済的な循環を実現することで、持続可能な取り組みとなるという考えです。 これまでの経済モデルとの違い 経済の成長過程で行われてきた経済モデルは、大量生産・大量消費・大量廃棄を行う一方通行の直線的なシステムです。これはリニアエコノミーと言われます。環境問題と資源枯渇が問題視されたことでリサイクルやリデュース、リユースが推奨されるようになり、リニアエコノミー+3Rのモデルが取り入れられます。しかし、この方法でも資源消費・廃棄はなくならず、持続性が高いとは言えません。そこで、廃棄をなくし完全な循環を目指すサーキュラーエコノミーが提唱されました。従来の直線状の経済であるリニアエコノミーと異なり、資源から生産されたものが再び資源として循環する環状の経済がサーキュラーエコノミーです。 サーキュラーエコノミーを実現するための条件 サーキュラーエコノミーを実現する基本的な条件としては次のようなものが提唱されています。 3Rの取り組み強化リデュース・リサイクル・リユースをそれぞれ強化することで、輪をつなげた状態に近づけることができると考えられています。 資源投入量と消費量の抑制投入した資源に対してリサイクル量が釣り合わないと、直線的な経済かつ逆ピラミッド状のリニアエコノミーに近づきます。資源投入量と製品の消費量を抑制し、バランスよく循環できるようにする必要があります ストックの有効活用そのときの経済状況や世界情勢によっても、必要となる投入資源や販売量、製品の使用量には波があります。こういった増減の波を吸収できるような資源ストックの仕組み作りが必要です。 付加価値の創出・増大サーキュラーエコノミーを持続可能なものとするためには、価値を創出し経済活動の一部として成立させる必要があります。使用後の製品をリサイクルした原料や製品、またはその加工過程自体に価値を生み、すでにそこに経済活動が伴っている場合は、その価値を最大化させる仕組み作りが求められます。このように価値を大きくすることで、リサイクルに費やした生産コストも回収でき、経済活動として成立するようになります。 自然のシステムを再生イギリスに本部を置き、早くからサーキュラーエコノミーの推進に取り組むエレン・マッカーサー財団は、サーキュラーエコノミーの原則のひとつとして自然システムの再生を提唱しています。自然界に存在する循環の仕組みを再生し、再び機能させることで自然資源を保存、または増加させ、サーキュラーエコノミーの循環も実現します。 期待される効果 資源消費の最小化と環境安定石油由来の天然資源の消費が最小化されるため、CO2排出量の削減にもつながり、脱炭素社会の実現に寄与します。 廃棄物の発生抑止現在は適切な処理がされずにごみとなってしまう「廃棄物」をも再使用することで廃棄物そのものをなくします。これにより、今も発生しているプラスチックごみの排出も抑止されます。 ビジネスの新たな競争力サーキュラーエコノミーの実現により、資源の循環に関する新たなビジネスモデルが創出され、経済的メリットを伴う循環のシステムが確立されます。こういった新たなビジネスモデルを構築することで、ビジネスにおける競争優位性の確保につながります。 取り組みは項目ごとに個別の目標を定めて これらのサーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みは、すべてを同時に推し進めるのではなく、それぞれについて個別に取り組んでいくことが有効です。企業がサーキュラーエコノミーへの転換を進める場合、企業の経営活動を続けながら新たな取り組みを進めなければなりません。現状でビジネスとして成立しているシステムを継続しながら転換を進める必要があり、すべてを同時に100%にすることは困難です。上記で紹介した条件のひとつ、またはいくつかに目標を定めて、部分的に取り組みつつ全体の効果へとつなげていくことで、サーキュラーエコノミー実現を目指します。 藤森工業の環境対応事例 単素材詰め替えパウチ「モノマテリアルパウチ」 循環型社会への貢献として、藤森工業は2030年までに廃棄物量30%削減を目標に取り組みを行っています。その内のひとつとして、リサイクルが容易で、従来の複合素材が持つ、強度物性、各種バリア性を備えたPEモノマテリアルスタンディングパウチの開発に国内で初めて成功しました。 粘着剤燃料化システム「ゲル燃焼ボイラー」 ここからは「リニアエコノミー+3R」の取り組みにはなりますが、環境負荷低減と経済性を両立させた実例をご紹介します。 産業向けや家庭用などのテープ類に使用される粘着剤は、一度固化が始まれば液状に戻ることはなく、凝固した粘着剤の大半が産業廃棄物となっているばかりか、処理費用も甚大です。現状でも、固化させる前の液状の粘着剤を燃料とする技術はあり、固形でも特殊な装置を使うことで燃料化することは可能です。しかし、液状と固形が混ざった状態の粘着剤を燃料とするのは技術的に別のプロセスを必要とするため、普及は進んでいません。 藤森工業はそこに着目し、資源の有効活用の一環としてゲル燃焼ボイラーを開発しました。このゲル燃焼ボイラーでは、固化する前の粘着剤の状態を長く保つような処理をしながら燃焼させることが可能です。完全燃焼するため黒煙や一酸化炭素が発生せず、地球環境と周辺環境に配慮した処理が可能です。また、このボイラーで粘着剤を燃焼した際に発生する熱は、回収して工場のエネルギー資源として再利用することが可能です。蒸気としてそのまま活用する方法や、熱回収発電装置と組み合わせることで、簡易的な火力発電が可能になり、電気エネルギーとしての再利用もできます。ゲル燃焼ボイラーは事業所単位で設置できるようコンパクトに設計されています。これまでは廃棄または別施設において処理されていた粘着剤廃液を、自社に設置したゲル燃焼ボイラーにより処理できるようになり、輸送に関する燃料の抑制ができトータルCO2排出量の削減にもつながります。 藤森工業では、持続可能な循環型の経済を実現する取り組みとして、ゲル燃焼ボイラーをご提案しております。ゲル燃焼ボイラーに関するお問い合わせは下記よりご連絡ください。

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保冷断熱シート「ハイピーフォイル」のオンライン販売開始

藤森工業(株)情報電子事業本部より保冷断熱シート「ハイピー®フォイル」のオンライン販売開始をお知らせいたします。 「ハイピー®フォイルシリーズ」は、断熱性、耐侯性・長期耐久性に優れることから、保冷カバー・ボックス、また屋外での保管時における日よけや上掛けシート等に長年の採用実績がある製品です。 冷蔵・冷凍・保温庫内やクーラーボックス内などの保温性を向上し、近年のエネルギー価格の高騰による消費電力削減ニーズに対応します。さらに長期間の使用に耐えうる耐久性を併せ持つため、廃棄物量の削減に貢献します。素材は柔軟性・クッション性がありながらカッターやハサミで簡単に裁断できるため、ご家庭でも用途に合わせてカスタマイズいただけます。現在は「FM-7 (750mm×10m)」1サイズのみの販売ですが、ラインアップの拡充も予定しています。別サイズのご要望等はこちらよりお問い合わせください ハイピーフォイル®「FM-7 (750㎜×10m)」購入ページ:https://amzn.asia/d/fn4W9pj ご購入にはAmazon business専用アカウントへの登録が必要となります。この機会にぜひご利用ください。Amazon business 会員登録(外部サイト):https://www.amazon.co.jp/business/register/org/landing?ref=JP_AB_ONS_MCS_NEW 本件に関するお問い合わせ先:藤森工業(株)情報電子事業本部:https://electronics.zacros.co.jp/contact/

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昭和事業所 太陽光パネル発電設備稼働について

藤森工業株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:布山英士、以下「藤森工業」) は、情報電子事業本部の主力工場である昭和事業所(群馬県昭和村)の駐車場などに太陽光パネル発電設備を導入し、2022年4月1日より稼働を開始いたしました。 発電量とCO2排出削減量 今回の太陽光パネル発電設備の導入により、自家消費電力として得られる年間想定発電量は約1,300MWhです。これは昭和事業所で年間使用される電力の約8%に相当し約600トンのCO2排出量削減につながります。 藤森工業の環境対応について 低炭素社会への貢献・・・エネルギーを無駄なく利用する製品とモノづくり目標値:2030年までにCO2を原単位で50%削減(生産プロセス&製品) 循環型社会への貢献・・・資源を無駄なく利用する製品とモノづくりで目標値:2030年までに廃棄物量を原単位で30%削減(製造廃棄物&製品) 自然共生社会への貢献・・・地球環境に調和した製品とモノづくりで目標値:2030年までに環境負荷物質を原単位で30%削減(生産&製品) 藤森工業のサステナビリティへの取組み 藤森工業のサステナビリティへの取組みの詳細についてはこちらよりご確認いただけます。 本件に関するお問い合わせ先 藤森工業株式会社 総務部TEL:03-5804-4221URL :https://www.zacros.co.jp/contact/

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光学用表面保護フィルムの選び方とは?基材・粘着剤の種類も紹介します

藤森工業では世界でトップシェアを獲得している「偏光板用保護フィルム」をはじめ、対光学フィルム用途を中心としたPET基材ベースの保護フィルムを展開しています。保護フィルムには粘着剤をシート化したもの、基材フィルムに粘着剤を塗工したものがありますが、当社は基材に粘着剤をコーティングしたタイプの保護フィルムをラインナップしています。 今回は保護フィルム選定のうえでポイントとなる基材の種類・粘着剤の種類について、ご紹介します。 基材の種類 光学用表面保護フィルムの基材として当社はPETフィルムを用いて粘着剤を塗工した製品をラインナップしています。PETフィルムは、他社で用いられているPE、PP、PET、PVC等に比べ、透明性が高く、さらに耐熱性とコストのバランスに優れています。また光学用ラインナップが数多く展開されているため、光学フィルム用基材としての採用実績も豊富です。ただし、非常に高温の工程を要する場合や熱による膨張・収縮により生じるズレを防止するためなど、使用環境により他のフィルムを基材とすることもあります。光学特性を必要とする場合のご相談も承ります。 粘着剤の種類 代表的な粘着剤には、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコン系などがあります。それぞれに長所と懸念点があり、貼り合わせる素材や使用シーンなどに応じて使い分けます。  長所懸念点アクリル系設計の自由度が高い低温での粘着力ウレタン系エア抜け性が良い湿度劣化(黄変)ゴム系低誘電・低透湿耐熱性シリコン系高耐熱性汚染性(移行性) アクリル系 アクリル系は材料組成を変化させることで、幅広い粘着力を発現させることが可能です。またタック性、なじみ性に優れ、汚染性が少ない特性から、多くの分野で使用されています。ただし低温での貼合時には粘着力の低下の可能性があるため、使用環境に注意が必要です。 ウレタン系 ウレタン系は柔軟性が高く、再剥離性や貼合時のエア抜け性が良いという特徴があります。粘着力の温度依存性が小さく帯電防止性も発現しやすいことから微粘着系に使われることが多い粘着剤です。弱点としては紫外線下での黄変や湿度の影響を受けやすいほか、粘着力の調整も難しい点があげられます。 ゴム系 ゴム系は被着体の選択性が低く多様な素材に接着可能で、オレフィン系のような難接着素材にも優れた粘着性を示します。難点としては耐候性や耐熱性に劣る為に変色や劣化、軟化などにより接着不良が生じやすい点があげられます。 シリコン系 シリコン特有の物性から、耐熱性や耐寒性・電気絶縁性といった多くの特性に優れており、またシリコンやフッ素といった難接着素材にも優れた粘着性を示します。一方で、粘着剤そのものが高価格であることに加え、汎用的な剥離剤が使えないといったコストアップ要素があり、特殊な用途に用いられるケースが多い粘着剤です。 藤森工業ではアクリル系を中心にラインナップしており、ウレタン系も展開しています。 以下に主力であるアクリル系粘着剤のラインナップについて紹介します。 各被着体に対する粘着力  サンプル構成:サンプル構成:基材=PET(厚み38μm)+粘着剤(厚み10μm)測定条件:剥離角度=180°剥離、剥離速度=0.3m/min.  上表は、基本となる粘着主剤に対して、添加剤を加える等の配合調整することにより、各被着体に対する粘着力をある程度の範囲で調整できることを示しています。例えば、対PETフィルムの保護フィルムとして微粘着タイプのものを検討されている場合、主剤Aを配合調整することでより粘着力が低いものにできる可能性があります。実際の保護フィルム選定では、使用する基材の選定(素材、厚みなど)や帯電防止(AS)処理などの付加機能、お客様の使用条件で求められる耐熱性などを考慮しながら設計します。 藤森工業のディスプレイ工程用・出荷用保護フィルム EWシリーズ 透明性が高く、貼合したままでの外観検査が可能な保護フィルムです。 EWシリーズのカタログは以下からダウンロード可能です。 「表面保護フィルム」に関するお問い合わせ 藤森工業では有機EL工程用保護フィルムや偏光板用保護フィルムなど各種保護フィルム製品をそろえているほか、委託加工も承ります。

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展示会出展のお知らせ|新機能性材料展2023

下記展示会への出展をお知らせいたします。皆様のお越しを心よりお待ちしております。 日程   :2023年2月1日(水)~2月3日(金)10:00~17:00展示会名 :コンバーティングテクノロジー総合展2023 新機能性材料展2023会場   :東京ビッグサイト(小間番号 2W-10)出展ブース:機能性フィルム研究会パビリオン主催   :加工技術研究会公式HP :https://www.convertechexpo.com/事前登録 :https://www.convertechexpo.com/for_visitors.html(全来場者完全事前登録制)出展製品 :委託塗工、マットコート剥離フィルム、樹脂付き銅箔、FCCL その他 新機能性材料展 新機能性材料展は、市場が求める価値を実現するためのマテリアルを、その時々のトレンドにあわせて提案する“新しい”付加価値を創造する機能性マテリアルの総合展です。 当社は2019年より、機能性フィルム研究会に参加しており、昨年に続いて研究会員の共同出展となります。 同研究会は、コーティングを軸にしたコンバーティング技術を駆使してフィルムに新たな機能を付与した種々の機能性フィルムの研究・開発の最新情報の提供や、情報交換、意見交換を行う異業種交流会です。会員は156社(2022年11月)、2020年には創設20年を迎えています。 30年来、光学、半導体業界で培った技術を元にした、皆様の開発をサポートするテストだけではないトータルコーディネートを提供する委託加工「CCS」、コーティングによるマット剥離フィルムと多数の剥離力をラインナップしたノンシリコーン剥離フィルムの「フイルムバイナ」、最先端の伝送特性と難密着高速伝送用銅箔への密着性を持つ樹脂付き銅箔「ZAC-LDC」を展示いたします。

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展示会出展のお知らせ|ネプコン ジャパン -エレクトロニクス 開発・実装展-

下記展示会への出展をお知らせいたします。皆様のお越しを心よりお待ちしております。 第37回 ネプコン ジャパン -エレクトロニクス 開発・実装展- 日程:2023年1月25日(水)~1月27日(金)10:00~17:00展示会名:第37回 ネプコン ジャパン -エレクトロニクス 開発・実装展-会場:東京ビッグサイト    〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1主催:RX Japan株式会社公式HP:https://www.nepconjapan.jp/tokyo/招待券:e招待券をご利用ください(https://www.nepconjapan.jp/tokyo/ja-jp/visit/e-ticket-ex/pwb.html?co=PWB1-0183)出展製品:樹脂付き銅箔(RCC:プリプレグ用/MPI用)、低誘電低寸法変化FCCL、低誘電ボンディングシート、マットコート剥離フィルム、委託塗工 その他小間番号: 23-15 出展概要 樹脂付き銅箔(RCC:プリプレグ)のサンプルを展示します。改良を重ねた低誘電かつ低寸法変化なFCCLのサンプルを展示します。 樹脂付き銅箔(プリプレグ用) 主な用途:リジッド基板向け高速伝送向け銅箔とプリプレグとの密着性をサポートすることで、より信頼性の高い高速伝送基板づくりを提案します。  低誘電かつ低寸法変化なFCCL 主な用途:フレキシブルプリント基板向けDf値を極限まで下げた低吸水なポリイミドで低寸法変化なFCCLで、高速伝送、微細配線、多層FPC基板に貢献します。

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展示会出展のお知らせ|オートモーティブ ワールド 2023

下記展示会への出展をお知らせいたします。皆様のお越しを心よりお待ちしております。 日程   :2023年1月25日(水)~1月27日(金)10:00~17:00展示会名 :第13回 クルマの軽量化 技術展会場   :東京ビッグサイト     〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1主催   :RX Japan株式会社公式HP :https://www.automotiveworld.jp/tokyo/ja-jp.html事前登録 :https://www.automotiveworld.jp/inv/出展製品 :接着フィルム「メタシール®」、不燃シート「フジエース」、「アルミ粘着テープ」出展ブース:コンポジットハイウェイコンソーシアム共同ブース 当社はコンポジットハイウェイコンソーシアム共同出展として、複合材料用接着フィルム「メタシール®」、不燃シート「フジエース」、「アルミ粘着テープ」を展示いたします。サンプル材料や、接着複合品サンプルもお手に取ってご覧いただけます。 第15回 オートモーティブ ワールド -クルマの先端技術 展- 本展はカーエレクトロニクス、電動化、自動運転や軽量化や加工技術、MaaS、コネクティッドカーなどクルマの先端技術・ソリューションが出展し、自動車技術者やモビリティサービスベンダーも多数来場予定です。 ■本件に関するお問い合わせ先藤森工業株式会社 情報電子事業本部URL : https://electronics.zacros.co.jp/contact/

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バイオマスはカーボンニュートラルに貢献する!バイオマス原料の種類と工業分野への活用

近年、世界中でSDGsの取り組みが広がっています。中でもカーボンニュートラルを意識して注目されているのがバイオマス。エネルギー資源としてだけではなく、レジ袋やパソコン部材などの製品の材料としても使用されています。本記事では、バイオマスの意味、注目されている背景について解説します。 バイオマスとは 総務省の定義では、バイオマスとは「再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」とされています。「生物資源」を表すバイオ(bio)と、「質量」を表すマス(mass)を合わせた用語であり、この二つの言葉を合わせたバイオマスは「地球や人間の生活の中に多く存在し、繰り返し生成可能な生物資源」のことです。バイオマスの種類には、大きく分けて以下の3つがあります。 廃棄物系バイオマス未利用バイオマス資源作物廃棄物として発生しているバイオマス資源として利用されずに残置されているバイオマス資源として活用する目的で栽培されたバイオマス食品廃棄物、家畜排せつ物 etc.木質系:林地残材、間伐材 etc.草本系:もみ殻、ススキ etc.さとうきび、とうもろこし etc. 森林を育てるために木を間引きすると間伐材が生まれ、お米を脱穀すればもみ殻がでます。人間や家畜などの生物が食事をすれば食品廃棄物や排泄物が発生します。このように一見不要な資源も、バイオマスの原料として活用をされているのです。また、燃料や原料として利用を考えて栽培されたバイオマス資源も活用されています。 バイオマスが注目されている背景 従来の主なエネルギー資源は石炭や石油であり、これらは無限に使い続けることができない有限な資源です。一方のバイオマスは「再生可能」であることから、持続可能(サスティナブル)な資源として活躍を期待されています。また、石油資源は燃焼時にCO2を排出するので、植物資源がそれらを吸収しきれず飽和状態になり、地球からの熱放出を妨げ、地球温暖化の一因となります。この状態の打開策となるのがカーボンニュートラルです。植物資源が吸収できるCO2と、人間の生活の中で排出されるCO2とのバランスをはかり、地球全体のCO2の飽和状態を緩和するものです。 出展:農林水産省大臣官房環境バイオマス政策課「バイマスをめぐる情勢について」 たとえば、バイオマス原料をエネルギーとして活用し燃焼すると、石油原料と同様にCO2が排出されますが、バイオマス原料が生成する過程で光合成によりCO2が吸収されます。これにより、排出するCO2と光合成に使用されるCO2の均衡が保たれ、カーボンニュートラルが実現されます。このように、近年の地球環境を改善するための働きかけが、バイオマスが注目されている背景となっています。 バイオマス粘着製品への活用 バイオマス原料は、エネルギー利用としてだけではなく、マテリアル利用としても期待されています。プラスチックや樹脂、アミノ酸など、あらゆる原料の代用として開発が進められています。身近な例では、テレビやパソコンのディスプレイに利用される粘着剤が挙げられます。一般的な粘着剤は石油由来のものがほとんどでしたが、バイオマス粘着剤に置き換えることで、環境負荷の低い製品を生み出すことができ、豊かな暮らしと環境保全の実現につながります。 藤森工業のバイオマス粘着製品への取り組み 藤森工業では、リサイクル材料やバイオマス素材の活用や廃棄物量削減など多面的に環境対応へ取り組み、持続可能な社会の実現を目指しています。その取り組みの一環として、環境対応と機能性を両立したバイオマス粘着製品の開発に注力しています。 藤森工業の環境問題への取り組みについては、藤森工業(株)HPの環境ページもあわせてご覧ください。

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リサイクル材料と再生樹脂~インフラ分野への適用~

近年、世界中が一丸となって行っているSDGsをはじめとした持続可能な社会を目指した環境問題への取り組み。特に再生材料(リサイクル材料)は、エネルギーに変換される、あるいは全く別の製品の素材として利用されています。本記事では、リサイクル材料、中でも再生樹脂がどのように生成されているのか、また再生樹脂が活用されている意外な場所についても紹介します。 リサイクル材料と再生樹脂 リサイクル材料は、廃棄物を燃やして熱エネルギーにしたり、化学合成をして他の物質に変えて再利用したり、新たなモノを作るための原料にする等の方法で活用されています。リサイクル方法の大まかな分類には「サーマルリサイクル」や「ケミカルリサイクル」、「マテリアルリサイクル」があり、再生樹脂は「マテリアルリサイクル」により一度使用された樹脂を回収して再度材料として利用できる形に生成したものを指します。従来の樹脂製品は、役目を終えて廃棄されるリニアエコノミーの消費モデルにありましたが、「マテリアルリサイクル」によって、焼却燃料を含めた石油資源の消費量や廃棄物の削減が期待されているのです。 再生樹脂の応用はトンネルにも 家具・生活雑貨大手のIKEAが製品に使用するプラスチックをすべて再生樹脂あるいは再生可能な素材にすることを目標とする(参照:イケア・ジャパン株式会社公式HP)ことを発表しているように、日常生活の中で再生樹脂に接する機会は増えています。 再生樹脂の活用シーンは、身近なところ、あるいは意外な場所、たとえばトンネルにも広がり始めています。 日本のトンネルは意外なほど多い! 日本は国土の73%を山地が占める山国で、現在日本には道路だけで10,912箇所ものトンネルがあります(参照:国土交通省「道路統計年報2020」)。トンネルの建設工法には山岳工法とシールド工法の2つの種類があります。それぞれの工法の割合は、山岳工法が約60%、シールド工法が約28%(JTA2020調べ)となっています。 山岳工法として最もメジャーなものはNATM(New Austrian Tunneling Method)と呼ばれ、山岳部を掘削する際に採用されています。掘削した部分にコンクリートを吹き付け、さらに鉄骨(支保工)やロックボルトなどで補強しながら掘り進める工法です。 日本のトンネルのストック数は道路・鉄道あわせて約1.6万本、総合すると約8,000kmにも及ぶといわれます。近年でも 毎年100本程度のトンネルが造り続けられているのです。シールド工法は、地下でシールドマシンと呼ばれる掘削機を回転させながらトンネルを築造する工法で、主に市街地の地下鉄や上下水道等で採用されている工法です。大型プロジェクトとして注目されているリニア中央新幹線建設工事は、品川~名古屋間で約286kmあり、うち約200kmが山岳トンネルで、50kmがシールドトンネルで造られているのです。 再生樹脂はトンネルの防水シートにも使われる 日本中に張り巡らされたトンネルのうち、NATM工法によるトンネル建設には防水シートが多く使われています。 防水シートは、覆工面への漏水を防止したり地下水を排水したりします。また、覆工と地山のひび割れを抑止することを目的に使用されるため、覆工コンクリートを構築する一般的なNATMトンネルでは100%使用されています。この防水シートへ再生樹脂を利用することで、バージン材使用のものと比べて化石資源の使用量を大きく削減することが可能となります。 再生樹脂を利用した防水シートは事業者(国交省、地方自治体、NEXCO、JRなど)の環境保全意識の高まりを受け、防水シートの原料となるEVA樹脂や不織布(PET樹脂)がバージン材から再生材由来のものへと置き換わることが予想されます。すでに設置されているすべての防水シートに再生樹脂が取り入れられているわけではありませんが、日本のトンネルの規模からすれば、防水シート原料の再生樹脂への転換は石油資源の使用量削減に貢献します。 藤森工業の再生樹脂利用の取り組み 藤森工業では、トンネルに使用する防水シートの製品「FFシートシリーズ」を提供しています。過去40年間にわたる販売実績があり、これまで藤森グループが販売した防水シートの全長はおおよそ2,000万m(地球半周分に近い距離)にもおよびます。2010年から2020年のNATM用防水シートの平均販売シェアは約40%、これは国内トップを誇ります。 「FFシートシリーズ」では、EVA樹脂や不織布(PET樹脂)に再生樹脂を使用した製品ラインナップの拡充を進めています。FFシートラインナップについてはこちらをご覧ください。 藤森工業ではリサイクル材料やバイオマス素材の活用や廃棄物量削減など多面的に環境対応へ取り組み、持続可能な社会の実現を目指しています。環境対応製品や開発に関するお問い合わせも承ります。お問い合わせはこちら:https://electronics.zacros.co.jp/contact/ まとめ: 再生材料(リサイクル材料)は、廃棄物の再利用やエネルギーへ活用されています。たとえば、今後建設予定のトンネルすべてに再生樹脂が使用されるようになれば、化石資源の消費量を大幅に削減することができ、持続可能な社会の実現へ大きく貢献することができるでしょう。そして、すでにEVA樹脂や不織布(PET樹脂)の一部に再生樹脂を採用する取り組みは始まっているのです。 防水シートをはじめ、再生樹脂を利用した製品や藤森工業の環境問題への取り組みについては、藤森工業(株)HPの環境ページもあわせてご覧ください。 参考: 再生樹脂|TERAMOTO再生材料(リサイクル材料)|JEMAマテリアルリサイクルとは?種類や具体例、課題などをご紹介|EverGreen

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離型フィルム入門講座(全5回)|第5回 総括

「離型フィルム」とは基材となるフィルムや紙に離型剤をコーティングしたもので、粘着面の保護や、樹脂成膜の下地に使用される製品です。シート状の粘着剤は被着体に押し当てるだけで容易に接着できるため、便利な製品ですが、使用直前まで粘着面を離型フィルムで保護する必要があります。そこで粘着製品の機能を最大限に発揮させるうえで重要となる離型フィルムの選び方を全5回に分けて解説します。 第1回離型剤の種類を選ぶ第2回離型フィルムの基材を選ぶ第3回離型剤の特性を知る第4回付加機能を選ぶ第5回総括 最終回の今回はここまで4回に分けてご紹介してきた離型フィルムの種類や特性を総括します。 総括 1. 離型剤の種類 離型剤に接する粘着剤・接着剤などの被着体の種類により適した離型剤を選定する必要があります。(例)シリコーン系/フッ素含有シリコーン系/非シリコーン系「第1回 離型剤の種類を選ぶ」を併せてご覧ください。 2. 基材 代表的な基材例としてPETやフィルム基材(その他)、紙基材があります。各材料・グレードの特徴は「第2回 離型フィルムの基材を選ぶ」で解説しています。基材を選ぶ際には材質以外に厚みも選定基準となります。 3. 粘着剤塗工方法 基材に粘着剤を塗工し乾燥後に離型フィルムを貼り合わせて粘着剤を保護する方法と、離型フィルムに粘着剤を塗工する方法があります。 4. 剥離力 剥離力に関わる因子として、剥離角度・剥離速度・経時変化があります。「第3回 離型剤の特性を知る」で解説しています。 5. 付加機能 機能性コーティングにより、印刷・帯電防止・表面粗化・表面平滑化・スクラッチ防止など剥離以外の機能を付与することができます。 「第4回 付加機能を選ぶ」にて掲載しています。 6. その他 離型フィルムはさまざまなラインナップがあります。ご使用される環境*をお伝えいただくことで最適な離型フィルムのご提案が可能です。*ご使用時の加熱温度、クロスニコル検査等 Coffee break☕ 当社は持続可能な社会の実現に向け、様々な要求に応えられる環境対応への取り組みをおこなっています。 ・温室効果ガス排出量を削減したカーボンニュートラルな基材への切り替え・離型フィルム製造時の溶剤使用量を削減した製品開発・離型フィルムのリサイクル活動 終わりに 全5回に分けて離型フィルム入門講座をお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか。 藤森工業ではディスプレイ、電子部材、モビリティ、医療用途など幅広い分野に離型フィルムを提供しております。オーダーメイド開発対応も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ:https://electronics.zacros.co.jp/contact/藤森工業の離型フィルムラインナップ:https://electronics.zacros.co.jp/product/peeling-film/

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