離型フィルム入門講座(全5回)|第4回 付加機能を選ぶ
- コラム
「離型フィルム」とは基材となるフィルムや紙に離型剤をコーティングしたもので、粘着面の保護や、樹脂成膜の下地に使用される製品です。シート状の粘着剤は被着体に押し当てるだけで容易に接着できるため、便利な製品ですが、使用直前まで粘着面を離型フィルムで保護する必要があります。そこで粘着製品の機能を最大限に発揮させるうえで重要となる離型フィルムの選び方を全5回に分けて解説します。
第1回 | 離型剤の種類を選ぶ |
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第2回 | 離型フィルムの基材を選ぶ |
第3回 | 離型剤の特性を知る |
第4回 | 付加機能を選ぶ |
第5回 | 総括 |
今回は第4回「付加機能を選ぶ」です。
機能を付与した基材を使用することや、基材に塗料をコーティングすることにより、離型フィルムに機能を付加することができます。
機能を付与した基材の例としては、帯電防止フィルム、マットフィルム、着色フィルム等があります。基材に塗料をコーティングする場合、剥離性能に影響を及ぼす可能性もあるため、メーカーに相談の上、慎重な選定が必要となります。
印刷
平滑性が求められる用途では、離型処理面の背面への印刷をお勧めしています。離型剤と基材の間に印刷すると離型処理面の凸凹につながります。
帯電防止
離型フィルムを製造する際には除電装置を付け、フィルムの帯電を除去していますが、離型フィルムを使用する際にも再度帯電するため除電装置が必要となります。
フィルムが帯電していると、使用時にホコリを吸い寄せたり、被着体にスタティックマークがつくことがあります。離型フィルムに帯電防止処理をすることで、より帯電圧を低く抑えることが可能です。
帯電防止処理は離型処理面、離型処理背面、またはその両面に処理することが可能です。表面抵抗値109Ω/□が目安です。
表面粗化
処理方法 :
・フィラーコーティング
・サンドブラスト
・エッチング
・フィラー練りこみ
フィラーコーティングは、フィラーを混合したコーティング剤を塗工し、フィルム表面に凹凸を形成します。粗さは、フィラーの形状、サイズ、添加量およびコーティング量によって決まります。
他に基材への凹凸処理として、サンドブラストやエッチング加工があります。基材そのものにフィラーを練り込んで成膜したものもあります。
表面平滑化
平滑度を向上する方法としては高平滑基材の使用が一般的ですが、フィルムへのコーティングによる平滑化も可能です。
スクラッチ防止
離型フィルムを貼ったまま検査する場合、また光学製品に貼って出荷する場合は、スクラッチ防止のために、表面硬度が高く、透明性の良いハードコート剤をコーティングします。また、滑り性の良い材料を選択する場合もあります。
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次回はいよいよ離型フィルム入門講座最終回「総括」です。お楽しみに!
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