コラム

  • 保護フィルム

10.5世代パネルで真価を発揮する「2,500mm幅偏光板プロテクトフィルム」

テレビ・パソコン・スマートフォンなど、私たちの身の回りにある「画面」は年々大型化が進んでいます。特にテレビ画面は大型のものが普及しており、それに伴って偏光板といった部材も大型のものが求められているのです。そこで本コラムでは、10.5世代パネルで真価を発揮する偏光板PF(プロテクトフィルム)の市場動向や、画面大型化に伴う2,500mm幅偏光板の必要性と効率的な採り合わせについて解説します。 偏光板とは 偏光板とは、ディスプレイから発する光の振動の方向を整えるための部材です。例えば、テレビやパソコンなどのディスプレイに偏光板が装着されていなければ、画面は真っ白な光を放っているようにしか見えません。しかし、偏光板を装着することで光の振動が一定方向に整えられ、人間の目で映像をとらえられるようになります。パソコンで仕事をするときや、テレビ番組や映画のような娯楽を楽しむときなど、偏光板は私たちの日常生活に欠かせないものだと言えるのです。 偏光板については、「偏光板保護フィルムとは?その必要性から保護フィルムの選び方までを解説」にて詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。 10.5世代パネルに合わせて大型化する部材 近年、テレビなどのディスプレイサイズは10.5世代パネルと呼ばれ、大型化しています。また、大型パネルの採り合わせの効率を向上させるために、ディスプレイを構成する部材も同時に大型化しているのです。ここであらためて、10.5世代のサイズを確認するため、第6世代からのサイズを表で再確認しておきましょう。 第6世代1,500×1,800(mm)第7世代1,870×2,200(mm)第8世代2,200×2,400(mm)第9世代2,400×2,800(mm)2,450×3,050(mm)第10世代2,880×3,130(mm)第10.5世代2,940×3,370(mm)第11世代3,000×3,320(mm)第12世代3,350×3,950(mm) 偏光板幅の効率的な採り合わせ それでは、「偏光板幅」の採り合わせについて見ていきましょう。 偏光板は、ロールtoロールや、ロールtoパネルで製造し、最終的にパネルのサイズに合わせて裁断されます。その際、効率の良い採り合わせとして、以下のようなパターンが考えられます。 サイズパターン2,500㎜65インチ×3面65インチ×1面+43インチ×3面75インチ×1面+55インチ×1面110インチ×1面 など2,300㎜43インチ×4面65インチ×2面+43インチ×2面55インチ×2面+32インチ×2面 など1,500㎜55インチ×2面65インチ×1面+43インチ×2面43インチ×2面+32インチ×1面 など 今後の画面の大型化や採り効率の面を考慮すると、2,500mmの採り合わせの効率が重要視されていくでしょう。 2,500mm幅の偏光板PFの必要性 主力となるテレビ画面向けパネルのボリュームゾーンとしては、32インチから43インチへ、55インチから65インチへのシフトが進行しています。そして、10.5世代パネルで利用される部材において、真価を発揮するのが2,500mm幅の偏光板PFです。 上記の表のように、65インチであれば、「65インチ×3面」といった形で採ったり、大型サイネージ向けとしての110インチが1面採りできたりすることからも、2,500mm幅は出荷面積ベースの増加が予想されます。 このような市場動向から、2,500mm幅の偏光板PFの必要性がうかがえるのではないでしょうか。 そのため、ZACROS株式会社では『偏光板PF(プロテクトフィルム)』においても生産ラインを新設し、2,500mm幅ラインナップを追加しております。 ZACROS株式会社が高品質な偏光板PFを製造できる理由 ZACROS株式会社では、高品質な偏光板PFをご提供しております。 昨今のディスプレイの大型化に対応するためには、パネル部材の新たなラインが必要ですが、同時に製造工程における難しさも考慮しなければなりません。 例えば、偏光板の製造サイズを2,300mmから2,500mmに拡張する場合、ライン搬送や延伸、塗布工程などにおいて、品質担保を含めた製造難易度が急激に高まります。 ZACROS株式会社の偏光板PF製造では、「クリーン度クラス100」および「クリーン管理4原則」を徹底した作業環境のもと、さまざまな生産条件に対応できる継続的な技術力向上に努めております。 また、厳しい品質保証体系にて品質管理を行うことで、均一な品質を確保した「2,500mm幅『偏光板PF』」の新たなラインナップを増やすなど、高品質な製品の製造を実現しているのです。 ZACROS株式会社では「粘着フィルム/粘着剤」「剥離フィルム」なども提供 ZACROS株式会社では、「偏光板PF」のほか、「粘着フィルム/粘着剤」「剥離フィルム」などの製品につきましても、さまざまなタイプでのご用意がございます。偏光板PFにつきましては、2,500mm幅に対応可能です。また、粘着フィルムや剥離フィルムにつきましては1,400~1,500mm幅までの対応となりますが、市場の要望に合わせた性能カスタマイズを武器に製品展開し、お客様のご要望に合わせてご提供いたします。 粘着フィルム/粘着剤 粘着フィルム/粘着剤は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの部材を固定するための粘着製品群としてご提供しています。 粘着製品は、光学粘着や拡散粘着などを含め5つのタイプをご用意し、お客様の製品に最適なタイプをご提供いたします。 また、粘着製品のご提供形態についても、テープ形状や粘着剤などでの提供が可能です。粘着フィルムについては、「粘着フィルム」にて製品の特徴や機能・用途事例を紹介していますので、参考にしてください。 剥離フィルム 剥離フィルムは、剥離剤を精密かつクリーンにコーティングした製品です。 基材や剥離剤の種類、処理面などをお客様のご要望に合わせて選択できます。 剥離フィルムについては、「剥離フィルム」にて製品の特徴や機能・用途事例を紹介していますので、あわせて参考にしてください。 まとめ 近年、ディスプレイサイズは大型化し、偏光板PFといった部材も大型化されたものが求められています。なかでも、2,500mm幅の偏光板PFは、10.5世代パネルで真価を発揮するでしょう。ZACROS株式会社では、2,500mm幅の偏光板PFはもちろん、粘着フィルムや剥離フィルムなどの部材につきましてもご提供可能です。 お困りごと、ご要望がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • 偏光板
  • ディスプレイ
  • お知らせ

展示会出展のお知らせ

以下の展示会に出展いたします。当社ブースにて皆さまのご来場をお待ちしております。 「SEMICON Japan 2021」 日程   : 2021年12月15日(水)~12月17日(金)10:00~17:00(要事前登録)展示会名 : SEMICON Japan 2021会場   : 東京ビックサイト 東ホール (小間番号 3426)       〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1出展ブース: 製造イノベーションパビリオン主催   : SEMIジャパン公式HP   : https://www.semiconjapan.org出展製品 : 低伝送損失/熱硬化性接着剤付銅箔「ZAC-LDC」、委託加工「CCS」、他 SEMICON Japanは、半導体産業における製造技術、装置、材料をはじめ、車やIoT機器などのSMARTアプリケーションまでをカバーするエレクトロニクス製造サプライチェーン唯一の国際展示会。モバイル機器や5G通信基地局等の性能向上に大きく貢献することを期待できる当社開発の低伝送損失/熱硬化性接着剤付銅箔「ZAC-LDC」の初の一般公開の場となります。また、幅広いラインナップを持つ非シリコーン剥離フィルム「フイルムバイナ」、金属や繊維強化プラスチックといった異種材料を接着することができる接着フィルム「メタシール」、世界シェアNo1の偏光板保護フィルムの製造技術を活用した粘着付き保護フィルム「GP3500」の製品展示を行います。さらに、皆様の開発をサポートする、テストだけではないトータルコーディネートを提供する委託加工「CCS」を出展いたします。

  • お知らせ

新開発品のご紹介

5G高速伝送用、低伝送損失/熱硬化性接着剤付銅箔 サンプル出荷開始  2022年春より販売開始へ ZACROS株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:布山英士、以下「ZACROS株式会社」)は、新たに低伝送損失/熱硬化性接着剤付銅箔を開発し、サンプル提供を開始いたします。ますます市場規模拡大が予想される5G配線基板の性能向上に大きく貢献いたします。本製品は、今年度中に量産体制を構築し、販売を開始する見込みです。  新開発「ZAC-LDC」 このたびサンプル出荷を開始するZAC-LDCは、平滑な電解銅箔に、低伝送損失/熱硬化性接着剤がコートされた樹脂付き銅箔です。様々な基材(PI,MPI,PPEプリプレグ等)と組み合わせて熱ラミネートすることにより、高速伝送用FCCLやリジッド基板などの製造が可能となります。本開発品は、5G通信の周波数帯であるsub6から高周波ミリ波帯の広範囲で低伝送損失機能を有し、モバイル機器や5G通信基地局等の性能向上に大きく貢献することが可能となります。 ZAC-LDCのアドバンテージ 本製品は平滑な電解銅箔に、低伝送損失/熱硬化性接着剤がコートされており、各種高速伝送用基材への密着性に優れています。また、誘電率:2.78 誘電正接:0.0023(at 10GHz)と業界トップクラスの特性を有すると共に、熱硬化タイプのため加工適性にも優れております。試作品を用いて常温環境下の保存安定性も確認しております。 また、必要に応じて、シリコーンフリーの剥離フィルム(当社にて開発/製造)と組み合わせてのご提案も可能です。 ■本件に関するお問い合わせ先 ZACROS株式会社 情報電子事業本部 事業企画部TEL : 03-5804-4231mail  : https://electronics.zacros.co.jp/contact/ 製品紹介 低伝送損失/熱硬化性接着剤付銅箔  「ZAC-LDC」構成図 2.低伝送損失/熱硬化性接着剤付銅箔を用いた両面製品作製例   ・FCCL構成例  ・CCL構成例 開発品のより詳細なデータのダウンロードをご希望の方は下記フォームへのご回答にご協力ください。

  • お知らせ

展示会出展のお知らせ

以下の展示会に出展いたします。弊社ブースにて皆さまのご来場をお待ちしております。 「SAMPE Japan 先端材料技術展 2021」 日程   : 2021年12月1日(水)~12月3日(金)10:00~17:00展示会名 : SAMPE Japan 先端材料技術展 2021会場   : 東京ビックサイト 西ホール (小間番号 S-22)       〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1出展ブース: コンポジットハイウェイコンソーシアム共同ブース主催   : 先端材料技術協会(SAMPE Japan)、日刊工業新聞社公式HP   : https://biz.nikkan.co.jp/eve/sampe/出展製品 : 接着フィルム、剥離フィルム、他 弊社は2018年より、名古屋大学ナショナルコンポジットセンター (NCC) 次世代複合材研究会に参加しております。同研究団体は、2012年4月、複合材の世界的研究開発拠点を目指し設立されました。 中心となる研究テーマは自動車用の複合材開発で、熱可塑性樹脂と炭素繊維を組み合わせた複合材に焦点をあて、軽量化を目的とした、高速かつ低コストで量産できる技術開発に取り組んでおります。 弊社は、炭素繊維をはじめとする繊維強化プラスチック材と異種材料との複合接着用途に「接着フィルム(メタシールフィルム)」を提案しています。メタシールフィルム以外にも、複合材工程用「剥離フィルム=フィルムバイナ」、アクリル系粘接着フィルム「マスタックTS」などを展示する予定です。

  • コラム

JAXAと一緒にトライした宇宙開発事業

もう10年以上前の話になりますが、IKAROS(イカロス)のことをご存じでしょうか。 JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)が進めた【世界初-ソーラー電力セイルで進む宇宙船】です。 宇宙船に帆がついており、その帆で太陽からの光の粒子を受けて推進力とすることで宇宙空間を移動する仕組みですが、粒子の力は非常に弱いため、大面積で受ける必要があります。 しかし、大きさ・重量が打ち上げコストに直結するため、できるだけ軽量、かつ宇宙空間で展開しても破れないギリギリを狙いました。 ・大サイズで非常に薄い帆(展開時 14m角) ・折りたたんだ状態でロケットに搭載する ・宇宙空間で規定サイズに広げる ・発射や展開の衝撃で破損しない ・宇宙空間の過酷環境(高温、低温、直射日光、放射線、スペースデブリなど)に耐える ・地球との通信に使用するための電力調達 これらの難題を解決するために、実はZACROSの技術が使われているんです。 ・超薄膜を製造する【精密塗工技術】 ・破損につながる恐れのある異物を混入させない【ハイクリーン技術】 ・製膜時に使用する基材から、傷つけずに帆を剥がすための【剥離処理技術】 ・薄膜太陽電池を宇宙船に搭載する【実装技術】 ビジネスには直結しないけれど、夢やロマンにつながるようなテーマ、 皆さんの身近にもありませんか。 そんな時はぜひお声がけください。夢の実現に向けて、ZACROS一丸で取り組みます!! 写真提供©JAXA

  • 保護フィルム

5G向け材料開発の課題と新製品開発への挑戦の取り組み

スマートフォンの性能の進化には驚くばかりです。古い人間であるわたしは、手のひらに乗る端末でテレビの画質を大きく超える動画を編集して配信する時代が、生きているうちに来るなんて思ってなかったので、驚くほどの進化なのですが。 スマートフォンの小さなレンズでも、動画でさえ明るくくっきり撮れます。高解像度で長時間撮影もメモリ量によっては可能でしょう。それを編集することも手間は別にすれば今のスマートフォンはそれほど苦にしなくなりました。 でも、不満はあります。 まずは、バッテリーの持ち時間。日々改良がおこなわれているはずですが、自動車用のナトリウムイオン電池や固体リチウムイオン電池の話題は聞くものの、わたしはスマートフォン向けの大幅容量アップの話題をキャッチできておりません。 次に、スマートフォン使い過ぎによるギガ不足、通信速度制限。わたしは楽天モバイルを使っておりますがパートナー回線では5GB/月で制限されます。先日、少々の動画を送ると制限されてしまいました。 ギガ不足は現時点の4G LTE通信の設計による限界でもあり、5G通信では、通信速度、遅延、同時接続数を大幅に改善する規格ということから、通信速度制限なんて必要としなくなるものと考えます。 次世代=5G通信での課題 バッテリーの持ち時間についても貢献したいのですが、本ブログではサービスが始まり対応端末も増えてきた5G通信の話題を続けます。 5Gでは、ミリ波帯といわれる今の5倍から10倍ほど高周波となる周波数帯を使うことで通信速度が改善されます。しかし、それだけでは策定された5G規格の速度には届きません。その電波を複数束ねるなどいくつかの技術の組み合わせで実現を目指しています。さらに、アンテナが受けた電波を処理されたデータを高速でスマートフォン内に送る必要もありますので、あらゆる電子基板の高速伝送が必要となります。電子基板の高周波化が必要です。 高周波化すると、その信号波は山が小さく間隔も狭くなります。そのため信号を送る銅の表面の粗さや絶縁体の誘電特性によっては、信号波が鈍って、ちゃんと信号が伝わらなくなります。伝送損失が小さいことが求められ、絶縁体は低誘電なものが求められます。スマートフォンでは、小型軽量が当然であり、曲げられるフィルムタイプ電子基板であるFPCが多用されています。絶縁体はさらに曲がることが必要であり、表面がつるつるな銅箔としっかり密着することが必要です。 実用化されている技術として、低誘電である液晶ポリマー(LCP)フィルムによるFPCがあります。LCPは加工時の熱で柔らかくなりすぎると言われています。そのためにさらなる微細配線化は難しく、その太さの配線幅で使える範囲で使用されています。そのためより微細で高周波伝送が可能な基板材料が求められています。 次世代製品作りへの挑戦 まず、表面粗度の小さい密着しにくい銅箔へ密着し、これまでよりも低誘電な絶縁材料が必要です。そこで、低粗化銅箔に低誘電絶縁材料をコーティングし、その絶縁材料面を高耐熱の絶縁フィルムにラミネートするという設計をしました。現在、この構成でロール品を試作中です。 絶縁体の部分が、コーティングで作った層と高耐熱絶縁フィルムの層との積層体となります。この積層された状態で安定した誘電特性を保証しないとなりません。安定した精密コーティングはお任せください。 また絶縁フィルムへのラミネートは高温高圧が必要ですが、培ってきたラミネート技術で取り組んでおります。 コーティング技術とラミネート技術に材料技術を加えて次世代の製品づくりに挑戦 当社の品質保証体制があればこそ、次世代に必要とされる特性をもつ製品が社会に貢献できると考えています。その特性を発揮できる材料技術を、コーティング技術とラミネート技術を組み合わせて、お客様にとって使いやすい製品づくりに挑戦中です。 本コラムの内容は開発案件です。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。 【電子部材営業部 コラム担当】

  • 5G
  • お知らせ

展示会出展のお知らせ

以下の展示会に出展いたします。弊社ブースにて皆さまのご来場をお待ちしております。 「名古屋プラスチック工業展」 日程: 2021年9月29日(水)~10月1日(金) 会場: ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)第3展示館      J-1(NCC次世代複合材研究会ブース内) 主催: 中部プラスチックス連合会    (一社)中部日本プラスチック製品工業協会      日刊工業新聞社 出展製品: 接着フィルム、剥離フィルム、他 オンラインでの開催も実施しております オンライン日程: 2021年9月29日(水)~10月15日(金)オンライン会場: https://nagoya-platen.com/hybrid/                                                                        弊社は2018年より、名古屋大学ナショナルコンポジットセンター (NCC) 次世代複合材研究会に参加しております。同研究団体は、2012年4月、複合材の世界的研究開発拠点を目指し設立されました。 中心となる研究テーマは自動車用の複合材開発で、熱可塑性樹脂と炭素繊維を組み合わせた複合材に焦点をあて、軽量化を目的とした、高速かつ低コストで量産できる技術開発に取り組んでおります。弊社は、炭素繊維をはじめとする繊維強化プラスチック材と異種材料との複合接着用途に「接着フィルム(メタシールフィルム)」を提案しています。メタシールフィルム以外にも、複合材工程用「剥離フィルム=フィルムバイナ」、アクリル系粘接着フィルム「マスタックTS」などを展示する予定です。

CONTACT お問い合わせ

事業・商品・サービスに関して
お気軽にお問い合わせください。
3営業日以内にご連絡いたします。