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COLUMN
「光拡散フィルム」とは?光拡散の光学的働きや用途を解説
「光拡散フィルム」は、粘着剤に拡散粒子を混ぜたものをフィルム化した製品です。
光を拡散する機能を活かし、LCDのバックライトの光源を均一に発光させたり、モアレを防止する役割で、主に中小型のLCDで多く採用されてきました。その後、一時は中小型ディスプレイにバックライトを持たない自発光タイプのOLEDが台頭してきたことで需要が減少しましたが、表示特性向上に貢献する役割は変わらず、ZACROS(以下,当社)では幅広いヘイズのラインナップを継続的に取り揃えています。
それでは、当社のラインナップをベースに、拡散粘着フィルムの種類や選定時の注意点をご紹介します。
光拡散フィルムを構成する要素は「粘着フィルム」「拡散粒子」「ヘイズ」の3つに分けられます。これらの要素を組み合わせることで、さまざまなニーズに対応することができます。
①ベースとなる粘着フィルム
項目 | 単位 | 測定条件 | POL-443 | POL-204 |
---|---|---|---|---|
測定時の粘着層厚み | μm | - | 25 | 25 |
ヘイズ | % | - | 0.5 | 0.6 |
全光線透過率 | % | - | 91.9 | 91.8 |
対ガラス粘着力 | N/25mm | 0.3m/分 | 15.5 | 25.3 |
② 拡散粒子の種類
粒子径の代表例=2μm、5μm、7μm など
③ ヘイズのラインナップ
実績=20~75%、試作実績としては80%(その他についても応相談)
モアレとは、規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせた時に、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様のことで、干渉縞とも呼ばれます。画像処理でも画素を縦横に周期的に配置して表現することからモアレが発生する可能性があります。拡散粒子を使うと、光の直進性をある程度コントロールでき、いわゆる「ぼかし効果」でモアレ防止に使うことができると考えられます。
上図のように、モアレ防止には粒子径が大きいものの方が効果が大きくなるケースが多いと言えます。
一方、光拡散効果だけを考えると、粒子径が小さいものの方が、光拡散効果は大きいと言えます。
同じヘイズの場合、粒子径が小さいものの方が添加量が少なく済むためベースとなる粘着フィルムが持つ粘着力などの特性に及ぼす影響が少ない効果もあります。
上記のように、モアレ=干渉縞対策と光拡散効果に対しては、拡散粒子径の大きさはトレードオフとも言える関係にあります。その為、ヘイズ値に代表される光拡散効果と、粒子径で表される光の直進性コントロールによるモアレ対策のバランスを取った光拡散フィルムの選定が効果的になります。
今後、ディスプレイは用途がますます拡大し、様々な種類や表示モードが採用され、より明るく高精細なものが増えていくと考えられます。
光拡散フィルムは表示特性に決定的に影響を及ぼすものではありませんが、仕上げのひと工夫として製品の完成度をひと段階あげるアイテムとして注目されている製品です。
当社ではベースとなるOCAフィルムの粘着特性と粒子径の組み合わせで、さまざまなヘイズ値のご要望にお応えしております。
当社ホームページ記載のもの以外にもご相談に応じますので、ぜひお問い合わせください。
粘着フィルム一覧:https://electronics.zacros.co.jp/product/adhesion-film/
お問い合わせ :https://electronics.zacros.co.jp/contact/
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